研修医マニュアル

研修医生活を送る作者が研修中に学んだこと、ポイント、その他を解説。

脂質異常症

 欧州心臓病学会(ESC)と欧州動脈硬化学会(EAS)により、脂質異常症管理ガイドラインが策定されました。
 脂質異常症は、臨床の現場では非常によく遭遇するため、避けて通れません。この度のガイドラインでは、LDLコレステロール(LDL-C)の目標値が明示されていて、臨床をする上で非常に参考になるため、一度しっかり学習しておきましょう。

続きを読む

研修医の年賀状について

 研修医にとって、年末の仕事の1つに年賀状があります。

 近年、年賀状を出さない人も増えてきましたが、
 社会人の常識として仕事関係の人には必ず年賀状を書きましょう。
(ただでさえ、医者は社会性がないと言われてしまう傾向があるので)

 もちろん、ただ単に社会の慣習としてだけではなく、年賀状を書くメリットもあります。


 今回は研修医のための年賀状作りについて解説してみました。
続きを読む

術後せん妄

【定義】

 手術による侵襲が原因で術前・後の相違に対して混乱を来たし、失見当識が生じることによって起こる、一時的な意識の混濁低下、錯覚や幻覚、興奮が見られる状態。指示に従うことが困難、健忘性、話のつじつまが合わない、体動が激しく、落ち着きがなくなるなどの症状が出現する。多くの場合は一過性であるが、せん妄が生じることで、場合によっては術後の回復が遅れることがある。また、高齢者の場合、術後せん妄から認知症ヘと移行することもある(もともと認知症の発症リスクが高かったところに、手術という身体的・心理的ストレスが加わったことで、認知症が発生した可能性は否定できない)。



【術後せん妄の特徴】

1.急激に発症する

  発症日時まで特定できることが多い。

2.前駆症状として不眠・不安を認めることがある

3.術後から発生まで1~2日の意識清明期がある

  日内変動があり、意識が一時的に清明となる場合もある。

4.幻覚としては幻視が多く、幻聴は少ない

5.身体的な重篤合併症はない

6.通常は1週間以内で軽快する

  数時間~数日続く場合があるが、比較的短期間で消失する。

7.後遺症を残さない



【発生要因】

1.年齢

 高齢になるほど発生する割合は増加する。特に8090歳代に多い。

 女性に比べて男性が多い

2.長期に渡る飲酒歴

3.身体的基礎疾患

 血管障害、肝・腎機能障害

 脳器質性疾患、認知機能障害(認知症)

4.術式・手術時間

5.術後合併症

6.全身状態の悪化

7.使用薬剤

 睡眠薬、抗不安薬、H2受容体拮抗薬(抗アレルギー薬)、抗コリン薬、ステロイド

8.鎮痛方法

9.環境

ICUへの移動、ICUからの移動などの環境変化

・アラームやモニター音などの過剰刺激

・感覚の遮断(音、明るさなど)

・臥床安静による身体的制限(身体拘束など)

・ドレーン・ルート類の留置(多ければ多いほどリスクが上がる)
10.睡眠障害
11.掻痒感・疼痛など身体的・精神的ストレス



【術後せん妄の予防】 
 手術によって生じる合併症や身体的・精神的ストレスを可能な限り減らすことで予防することが可能なため、早期に対応することが必要である。

①環境の調整

 なるべく静かで、昼夜の区別がつく部屋での管理が望ましい。

②睡眠覚醒リズムの維持

 日中、ラジオ・テレビ・音楽などを流すことで覚醒を促す。部屋のカーテンを開けるなどして、日中は明るい場所で過ごしていただく。家族の面会も重要であるため、感覚や情報を遮断しないように工夫する。

③疼痛の管理

 疼痛はせん妄の発生原因の1つと言われている。鎮痛は精神的安定を得るために重要であるが、鎮痛剤や安定剤の過量投与は、逆にせん妄や呼吸抑制の原因となるので注意が必要である。


【術後せん妄の治療】

 焦燥を伴ったせん妄には、ハロペリドールが第一選択となる。痙攣を伴ったせん妄にはベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択となるが、焦燥・幻覚・妄想には効果がない。クロルプロマジンは、鎮静効果が強いがα受容体遮断作用、ムスカリン作用のため、心血管系および精神系への副作用が強いので使用には注意が必要である。プロポフォールは、鎮静度の調整が容易だが、高齢者の鎮静には十分な監視が必要となる。夜間のせん妄については、クエチアピン+ラメルテオンが用いられることが近年多くなっている。

マンション投資について

以前にも書きましたが、研修中、
マンション投資の勧誘電話が必ずかかってきます。
基本的に初期対応として、名前と所属を聞き、
マンション販売業者であれば電話をつながないようにしているのですが、
マンション販売業者も手を変え、品を変え 、
オレオレ詐欺のようなテクニックで電話をしてきます。

最近では、整形外科の医師を騙ったり、
製薬会社の名前を騙ったり、
家族を騙ったりと、もう無茶苦茶です(笑)。

しつこいようですが、絶対に買わないようにしてください。
以下、まとめ記事を引用させていただきました。
参考にしてください。 続きを読む

失神(Syncope)、一過性意識障害

 研修医生活で一番大変なのが、循環器と救急(ER)です。
 ERでは、失神・一過性意識障害を訴える患者さんに非常に注意が必要です。
 軽症例の中に、命に関わる重症例が紛れ込んでいるため、
 鑑別が非常に大事になってきます。
 今回は、失神・一過性意識障害についてまとめました。
  続きを読む

トラブルの対応

臨床現場では、医療者がどんなに気をつけても、必ずトラブルが生じます。
うっかりミスであったり、純粋な事故であったり、
はたまた患者さん側の純粋な誤解であったりします。
人はミスするもので、過誤による医療事故はゼロには出来ません。
 
研修医であっても、トラブルに巻き込まれないとは限りません。
しっかりと対応を覚えておくと良いと思います。

医学生時代、研修医の先輩から、
『 うちの病院は、激務だから医療訴訟も研修出来るよ』
と洒落にならないことを言っていました。 
実際に訴訟に発展したケースもあるようです。

なるべくそうした事態にならないよう、しっかり学習しましょう。 続きを読む

DLST(Drug-induced Lymphocyte Stimulation Test)

 DLSTは、日本語で薬剤誘発性リンパ球刺激試験と訳されますが、
 外国では、LTT(Lymphocyte Transformation Test):リンパ球幼若化反応と呼ばれます。
 In vitro(試験官の中)で、患者さんの末梢血単核球に薬剤を添加するとリンパ球の増殖反応が生じ、それを用いて薬剤アレルギーの診断を行います。  
 薬剤によるアレルギー症状のうち、
 特にⅣ型アレルギーの機序による肝障害や造血障害に
 ある特定の薬剤が関与しているか否かを知るための有用な検査です。続きを読む

大量服薬患者の急性期治療

研修中、特に救急をまわっている時によく遭遇するのが、

大量服薬による救急搬送です。

一刻一秒を争うことも考えられるので、しっかり勉強しておきましょう。


急性期薬物中毒の治療方針は、まず第一に、

バイタルの安定化を行い、重要臓器を保護すること。

特に精神科系薬剤の急性中毒は、誤嚥に伴う合併症への注意が必要です。


薬物で自殺を図った人の過半数が、

医師が処方した睡眠剤や精神安定剤などの向精神病薬を大量服薬しています。

特に注意しないといけないことは、

患者さんは、医師が処方した薬を飲まず、ため込んでいたり、

複数の病院に通ったりして大量にため込むことがあります。

内服コンプライアンをしっかり把握するように努力し、注意が必要です。

他には、市販の薬や農薬を服薬しています。

では、実際に救急外来での対応を勉強しておきましょう。 

続きを読む

耳鼻科のスケジュール

耳鼻科のスケジュールですが、
基本的には外来・病棟・手術室です。
研修生活の中で、耳鼻科は肉体的にも精神的にも
比較的楽な科になると思います。

だいたいのスケジュールや、研修内容をまとめてみました。

続きを読む

呼吸器(ICU管理)の専門用語

呼吸器、ICU領域の専門用語をまとめました。
主に、ICU(集中治療室)で使われます。
ここに書かれている専門用語は最低限覚えないと、 
ICUでかなり見下されてしまいます。

看護師さんからも侮蔑の目で見られてしまいます。
特にICUの看護師さんは、優秀で学習意欲が高い人が多いので、
 使えない研修医だと判断されたら、相手にされなくなってしまいます。

ですので、ここで使われている用語は最低限覚えてから、
ICUの実習に臨んでください。

余裕があれば、ぜひICU実践ハンドブックを一読してから臨んでください。
 続きを読む