創傷被覆材は、傷を覆うだけでなく、浸潤環境を作り、
創傷治癒を促進するために重要なものです。

施設・病院によって様々なものがありますが、
よく見かける創傷被覆材の特徴をまとめてみました。 


(1)ハイドロコロイド

・水分吸収能は自重の約1.5〜2倍

・創面を湿潤環境に、周囲皮膚は乾燥状態で維持できる閉塞性ドレッシング剤。

・水や細菌の侵入を阻止するが、水蒸気、酸素、炭酸ガスはある程度通過させる。

・創部を被覆による神経終末への刺激を緩和することで疼痛緩和につながる。

・進出激を吸収し、ゲル化するため、肉芽を損傷しない。

・外層はポリウレタンフィルム、デュオアクティブCGFのみポリウレタンフォーム


【製品名】

デュオアクティブET、デュオアクティブ、デュオアクティブCGF、

アブソキュアサジカル、アブソキュアウンド、コムフィールアルカス

※デュオアクティブCGFは、SIS(スチレン・イソプチレン・スチレン共重合体)を配合することによって、溶解を抑制するように作られている。つまり、膨潤するが、溶解しない。



(2)ハイドロジェル

・水分吸収能は自重の2~3倍

・浸出液の少ない創傷に使用する。

・被覆材自身の水分含有量が多いことで冷却効果が起こり、炎症や疼痛を和らげる効果や痂皮化した硬い壊死組織の自己融解を促進させる効果などがある。


【製品名】

・ビューゲル

・グラニュゲル

・イントラサイトCONFORMABLE

※ビューゲルは、吸収体は浸出液を吸収しても溶解しない。

※グラニュゲルは、親水性コロイドと精製水の透明なゲルで二次ドレッシングが必要となる。

※イントラサイトCOMFORMABLEは、ジェル材をシートに浸透させたもの。



(3)ポリウレタンフォーム

・水分吸収能は、自重の約30倍

・親水性のポリウレタンを使用したドレッシング材。ポリウレタンの中のセルが浸出液を保持し、創面の浸潤環境を形成する。

・(薄型のものは)薄く柔軟で伸縮性がある。

・フォーム自体に粘着性があるが、剥離時に粘着剤が残らない。


【製品名】

・ハイドロサイト薄型

・ハイドロサイトプラス

・ハイドロサイトヒールタイプ

・ハイドロサイトADプラス

※ハイドロサイトは以下の3層構造

①トップフィルム:水蒸気透過性の高いIV3000ドレッシング。過剰な浸出液は水蒸気として排出される。

②吸収層:親水性の高いポリマー含有。高親水性ポリマーで、フォームの厚みや弾力性が圧力を減少させ、疼痛を緩和する。

③創部接触面:固定できるタイプもあり(ハイドロサイトAD)、溶解することはない。



(4)アルギネート

・水分吸収能は自重の約15~20倍

・昆布などの海藻から抽出されたアルギン酸塩を繊維状に加工して作られたドレッシング材。

・浸出液の多い創に適している。

・殺菌性はない。

・水と接触してもゲル化は起こらないが、ナトリウムイオンを含む生理食塩水や浸出液・血液を吸収すると親水性コロイドがゲル化する。

・ゲル化する際にカルシウムイオンを放出するため局所の止血作用がある。

・ゲルによる浸潤環境が壊死組織を自己融解する。

・アルギネート材は、酸性のため好酸性の細菌による感染症(結核・梅毒・真菌)には使用しない。


【製品名】

・カルトスタット(手術・処置で頻用)

・クラビオFG



(5)ハイドロファイバー

・水分吸収能は自重の約25倍 

・アルギネートに似ているが植物由来ではなく、親水性ポリマーであるCMC-Naを線維に紡績したもの。

・吸収性が高い。創の清浄化と肉芽促進効果がある。

・吸収した液体を垂直方向に移動させ、側方への移動をコントロールする。(創周囲皮膚の侵軟防止)

【製品名】

・アクアセル

・アクアセルAg

・バーシバXC 粘着式

・バーシバXC 非粘着式

※ハイドロファイバーに抗菌性(銀イオンによる抗菌作用)を加えたものがアクアセルAgで、

SSI(手術部位感染)、クリティカルコロナイゼーション、バイオフィルムの形成が疑われる創傷においても良好な治癒経過が得られる。
※バーシバは、吸収層にハイドロファイバー、粘着層にハイドロコロイドを使用したドレッシング材。