救急や外来で『熱傷』の患者さんが受診した際に、必要なことをまとめました。
熱傷は発生頻度はあまり多くはありませんが、
初期治療がとても重要な疾患であるため、
研修中に必ず初期対応を身につけておいた方が良いです。



【知りたいこと】

(バイタル・既往歴などは他の症例でも当然必要なので省略)
①受傷した状況
②受傷部位

→顔は大丈夫か、気道熱傷の可能性はないか
→挿管の準備がいるか
③受傷範囲
④受傷深度

→全身管理が必要なのか
→皮膚科のみの対応で大丈夫なのか(他の医師・スタッフに声をかけるかどうか)

⑤搬送されるまでに行った処置
→ 冷却したかどうか、またどのように冷却したか。 

【気道熱傷】
火災や爆発で生じた煙や有毒ガス、高温水蒸気吸入が主な原因。
→特に、口腔・咽頭内煤(スス)付着、嗄声、ラ音聴取があると、
 ICU滞在日数が長くなる。 

 <気道熱傷を疑う臨床所見>
 顔面熱傷、嗄声、咽頭痛、鼻毛消失、呼吸苦、口腔内スス付着
意識障害、閉所での火災受傷 


また、熱傷範囲については、9の法則5の法則が有名です。
およその熱傷範囲を推定できるようになりましょう。

9の法則、5の法則を確認する。


【熱傷深度】
 
Ⅰ度熱傷:紅斑、有痛性

浅達性Ⅱ度熱傷:紅斑(圧迫で発赤が消失)、水疱、有痛性 

深達性Ⅱ度熱傷:紅斑、紫斑〜白色、水疱、知覚鈍麻

Ⅲ度熱傷:黒色、褐色または白色、水疱なし無痛 

 

【熱傷指数と熱傷予後指数】

熱傷指数(Burn Index) =(Ⅲ度熱傷面積)+(Ⅱ度熱傷面積×1/2)
→ 10〜15が重症とされ、入院が必要となる。
※Ⅱ度15〜30%、Ⅲ度10%程度でも輸液の適応となるため、入院が必要。
すなわち、熱傷面積で20〜30%で入院。小児では15%以上で入院。

熱傷予後指数=熱傷指数+年齢
→100以上は極めて予後不良
 
 
【来院までに出来ること】
(時間が許せば)
①衣服の除去
→化学熱傷など、衣服に熱傷の原因がついている場合は、深度が深くなるため。
 また、搬送されてからの治療開始が早くなるため。
※ただし、衣服に皮膚が密着している場合などは、無理に脱がせると
 皮膚が剥離してしまう可能性もあるので注意が必要。

②痛みがある場合は冷却
→冷やし過ぎもよくないので、できるだけ範囲を少なくして他は保温する。

③創面が見えなくなるような外用は使用しない。
→馬の油や狸の脂など・・。 

※初期対応、治療法については、成書を必ず確認しておいてください。