頭痛はありふれた疾患で、4人に1人が頭痛を患っていると言われます。

それ故、外来でもしばしば頭痛を主訴にした患者さんがきます。

『頭痛は患者にとっても、医者にとっても頭痛のタネ!』

と言われているくらいです。

 

そこで頭痛について知っておいた方が良いことをまとめました。

【危険性のある頭痛】

 下記の症状に当てはまれば、精確な診断・早期処置が必要です!

①急性に起こった頭痛

②これまでに経験したことのないひどい頭痛

③突発して短時間でピークに達するような頭痛

④熱がある

⑤手足の痺れや麻痺を伴う頭痛

 

※以前から同じような頭痛を繰り返している場合は、慢性頭痛で生命の危険がないことが大部分です。
片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。

※慢性頭痛でも、頭痛が経過と共に悪化するようであれば脳腫瘍や慢性硬膜下血腫を疑い、
精査を行った方が良いです。

 

【頭痛の機序】

1.血管から起こる頭痛(血管性頭痛)

代表的なのは片頭痛(血管の拡張によって起こる)

2.精神・筋の緊張から起こる頭痛(緊張型頭痛)

3.頭蓋内の疾患からの頭痛(牽引性頭痛、炎症性頭痛)

4.神経痛

5.関連痛(耳鼻歯の疾患)

6.心因性(抑うつ性頭痛、身体表現性障害、妄想による頭痛など)

 

【頭痛の持続パターン】

頭痛には特徴的なパターンがある場合が多いので、理解しておくと便利です。

 

頭痛パターン















【一次性頭痛、機能性頭痛、良性頭痛】

脳内の器質性病変に起因しない頭痛であり、直接生命に関わらない頭痛

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など。

慢性頭痛、発作性が多い。

問診で診断がつくことが多いです。

 
 

【二次性頭痛、症候性頭痛】

器質性病変のために発生する頭痛、

生命に関わることがある、危険性のある頭痛。

見逃したらダメなやつです!

脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)

脳腫瘍

中枢性感染症(髄膜炎、脳炎、膿瘍)

外傷(慢性硬膜下血腫、急性硬膜下血腫など)

頭蓋外病変:緑内障、急性副鼻腔炎

 

【二次性頭痛を疑う頭痛】

1.突然の頭痛

2.今まで経験したことがない頭痛

3.いつもと様子の異なる頭痛

4.頻度と程度が増していく頭痛

5.50歳以降に初発の頭痛

6.神経脱落症状を有する頭痛

7.癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛

8.精神症状を有する患者の頭痛

9.発熱・後部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛

 

【脳卒中に伴う頭痛の特徴】

 ・突然の発症、すぐピークに達する

 ・今まで経験したことがない頭痛(激痛でないこともある)

 ・バイタルサインの変化、特に血圧上昇

 ・頭蓋内圧亢進による嘔気・嘔吐

 ・意識障害、麻痺・言語障害、瞳孔不同などの神経異常所見

 ※脳梗塞は頭痛を生じにくいですが、

 後頭蓋窩・小脳梗塞や動脈解離の時は頭痛が生じます。

 

 

【研修医に大切なこと】

『ま、いいか』は全然良くない!!!

 問診、検査所見等で気になるポイントがある時に、
『ま、いっか』と一瞬でも考えた時に限って、その後急変し後悔することが多いです。

特に、深夜の当直中や、忙しい時は、

『多分、大丈夫・・・』、『このまま帰してもきっと何もないはず・・・』

『多分、痛み止めが効くよ・・』、『一応、痛み止めが効かなかったら、すぐ受診してもらうよう説明したからいいよ』などと、悪魔の囁きが聞こえます。


 絶対に耳を貸さないようにしてください。

 

『訳もなく何か変だと感じる時は、必ず実際に変なことが起こっている』という教訓もあります。

気になることは調べ、上級医にも相談していきましょう!