内科を回っていると、しばしば低栄養状態の患者さんに遭遇します。
低栄養の原因は、食生活の偏り、加齢、アルコール依存症、 消化吸収力の低下、
口腔内の問題、嚥下障害、精神疾患など様々です。

臨床の場でしばしば遭遇するので、一度整理しておいた方が良いです。

 
低栄養


 【病状】
 栄養とは、
 ①生命活動を営む上で必要なエネルギーを生み出す栄養素
 ②エネルギーを活用・利用するための代謝関連物質

 (水分、電解質、ホルモン、酵素、補酵素、ビタミン、微量元素、ペプチドなど)
 
 臨床の現場で遭遇する低栄養状態は、1種類の栄養素の欠乏や、偏った摂取等と言うより、
 数種類の栄養素が欠乏して症状が出現していることが多い。
 
【何もしなかった場合に予想される経過】

 栄養不足により、様々な臓器の機能が障害され、色々な身体合併症が生じる。
 
【身体合併症】

①神経:脳萎縮

②心臓:僧帽弁逸脱症(心臓弁の異常)、心嚢液貯留、心筋線維症、
    徐脈、低血圧、心電図異常

③肺:呼吸筋力の低下、呼吸不全

④消化器:腹部膨満感、便秘、肝機能異常、上腸間膜動脈症候群、膵炎

⑤ 腎臓:尿排泄能の低下(糸球体ろ過率・尿濃縮能の低下)

⑥内分泌:(ホルモン):無月経、骨密度低下(骨粗鬆症)

⑦代謝:低血糖、高コレステロール血症

⑧生殖器:無月経、不妊、妊娠合併症(流産、早産、小頭症、低出生体重児)

⑨血液:貧血、白血球減少・血小板減少

⑩皮膚:乾燥、黄染、産毛の増加、頭髪の減少、ニキビ、脂漏性皮膚炎、
    四肢末端のチアノーゼ、しもやけ、点状出血、爪囲炎、色素沈着、
    痒み、伸展線、創傷治癒の遅延

⑪その他:突然死、けいれん、筋力低下、低体温、むくみ、電解質異常、ビタミン欠乏、
     成長障害

⑫精神症状:気分の落ち込み、自己評価の低下、不安、イライラ、怒り、集中力低下、
      睡眠障害、強迫症状(同じ考えや行為を延々と繰り返すこと)、
      食事へのこだわり、過食・嘔吐、薬物やアルコールの乱用・依存、病的窃盗

【治療】原因・基礎疾患の治療を中心に行い、不足している栄養の補充を行う。