DLSTは、日本語で薬剤誘発性リンパ球刺激試験と訳されますが、
 外国では、LTT(Lymphocyte Transformation Test):リンパ球幼若化反応と呼ばれます。
 In vitro(試験官の中)で、患者さんの末梢血単核球に薬剤を添加するとリンパ球の増殖反応が生じ、それを用いて薬剤アレルギーの診断を行います。  
 薬剤によるアレルギー症状のうち、
 特にⅣ型アレルギーの機序による肝障害や造血障害に
 ある特定の薬剤が関与しているか否かを知るための有用な検査です。

DLSTの実際】

①患者さんの末梢血をヘパリンやEDTA添加の採血管で採取する。

※調べる薬剤の数や、患者さんの血液中のリンパ球数によって採血量は異なりますが、約1020ml程の採血です。1薬剤につき、500万個のリンパ球が必要となります。

②血液を遠心し、単核球を集める。

③培養液に入れ、様々な薬剤濃度で培養する。

※培養時間は3日〜6日間で、最後の12時間から18時間トリチウムチミジンを添加し、DNA合成に使用されたチミジンの量を計測します。つまり、薬剤をリンパ球に添加したことによって、どのくらいリンパ球のDNA合成が高まったかを調べています。

④結果の表記は、SIStimulation Index)と言い、薬剤無添加に比べ、薬剤添加により何倍DNA合成が促進されたかで示します。

 

DLSTで増殖するリンパ球】

 DLSTで薬剤に反応して増殖するリンパ球は、T細胞です。
 ただし、T細胞が薬剤に反応するためには、抗原提示細胞(単球)が必要です。
 また場合によっては、樹状細胞前駆細胞とB細胞も抗原提示細胞になると考えられています。

 T細胞のサブセットは、Th1Th2TregTh17があり、薬剤がこれらのT細胞サブセットのどれを刺激するかによってDLSTの結果は異なってきます。

・薬剤に対して、Th1が反応し、かつTh2無反応であれば、妨害なしのTh1反応となり、DLSTは陽性になりやすく、パッチテストも陽性になりやすい。

・薬剤に対してTh2が反応しかつTh1が無反応であれば妨害なしのTh2反応となり、DLSTは陽性になりやすく、パッチテストは陰性になりやすい。

・薬剤に対してTh1Th2の両方が反応すれば、相殺されたどちらかの反応となり、DLSTもパッチテストも陽性になりにくくなります。
 

【一口メモ】

DLST陽性とパッチテスト陽性は相関するものではないです。

DLST陰性だからと言って、その薬剤が原因薬ではないとは確実には言い切れない。

・発症した直後は、DLSTは陰性になりやすいと言われたり、感作2ヶ月後であるとも言われたりしているが、真偽は不明です。